第1話 148センチの挑戦

とうとう就職活動の年になってしまった。

が、PTRへの道を順調に歩みだしている。

PTRとは世間では「プータロー」と呼ばれている人種である。

けれど、X年前に厚生省が慌てて制定した国家資格である「精神保健福祉士」という資格をとるためには働かざるを得ないようだ。(というか働かしてくれ)

資格を取ることに人生を賭けている私偽善的にもこの資格を取ろうと考えている。

「精神保健福祉士」とは精神障害者がより良い医療を受ける権利と、人として生きる権利を成就する過程において、彼等が必要とする援助を的確に提供できる専門職の1つである。

この資格は3年間で指定科目修得した後、専門機関での実務経験を1年積んで、国家試験を受験し合格した者に与えられる。(他にも受験方法はありますが、今の私には一番最短取得方法)

ここで指定されている専門機関とは、単科の精神病院や総合病院の精神科、心療内科、その他の厚生省が認可した精神障害者の社会復帰施設を指す。

1年の実務経験を積むには、まずこれら上記の専門機関への就職を要する。

これが、やっかいなのである。私は病院勤務を考えているので、病院で就職したいと考えていた。

しかし、実際はそんなに容易なものではなかった。

病院という場所は「コネ」がなければ就職不可能だという。

そんなん入学当時は聞いてまへんで。詐欺や!

と学年全員が思ったに違いない。

でも1期生であるため、もう今さら文句を言っても仕方がない。

3年目に突入してもたし。

そう、信じる者は騙されるのである。

言えることは後輩に、「はよ学校やめて大学行って遊びや。」くらいしかいえへん。

でも、言うたらへん。

私はもう、使えるもんはなんでも使ったろと心に誓った。

まずは、学校の就職課である。

失礼いたします

私は猫を104匹くらいかぶって就職課への扉を開いた。

すいません、私、医療福祉心理科3年のシロマメと申しますが、病院訪問の件でお尋ねしたいことがあるんですけれども・・・??

就職課の人は優しく応対してくれた。私は自分でインターネットを活用して調べたK病院について聞いた。

すると、就職課のおっちゃんはご丁寧なことに、

あぁ、そこの病院なら院長とこの前、会ったから見学等の予約とってあげるよ

と言ってくださった。

よっしゃぁ!

この介護保険等で多忙な時期である病院は、見学すら了解してもらえないところが多い。もう通ったも同然である。

就職課のおっちゃんは、

一応、履歴書は持参しておいてください。あと、帰りに地域生活センター(PSWが中心となって勤務しているところ)に寄って挨拶することも絶対に忘れずに

と言い残した。

こうして私はK病院へ見学に行くこととなった。

ここで1つ問題が発生した。

なんと、日時が明後日とゆうのだ。私は当時、茶髪で履歴書は1枚も書いていなかった。またK病院についても、皆無に等しかった。
編集部注:「K病院についての情報も皆無に等しかった」の間違いです。

やばい、髪は明日、美容院に行ってクロマメになるとして、問題は履歴書や。なんもネタあらへんで。しょぼー。

それからまるまる2日間は珍しく(?)気がはって眠れない日々が続いた。

髪も黒くなって無事、クロマメとなり、履歴書のネタも捏造し、いざ出陣!

当日の朝、私は自分が方向音痴だということをきちんと年頭に置き、早めに家を出た。

晴れてすがすがしい朝であった。

3月にK子さん(←誰やねん?)に購入してもらったグレーのリクルートスーツを初めて着用し、胸は初めて入園式を迎える少女のようにぱくぱく高鳴った。
私は148センチとちびっこなのではたから見たら本当にそう見えたかもしれない。

地下鉄○○駅に予定時間より1時間早く到着した私は、とりあえずは病院の場所を確認しようと歩きはじめた。

就職課のおっちゃんにもろた「めも」には駅から徒歩10分と書いてあった。駅に着いたのが9時30分頃であった。

ま、股下48センチの私の足なら20分ってとこやろ。

予定時刻は10時30分。このままの調子だと9時50分には病院に到着する。

ま、ええか。その辺、うろうろしとこう。一応、場所だけ確認して・・・

地図にはうどん屋さんを通過した1本目の道を右折し、5分ほど歩いたら着くようなことが書いてあった。

うどん屋さんが見えた。

おお、もうすぐだゼ!

時間もあることだし、食べていこうかな?

・・・ふと時計をみると10時をさしていた。

まだ右折できる道はない。歩きはじめて30分は経過していた。

いくら足の短い私でも、こんなに時間がかかるなんておかしい。おかしすぎる。

・・・・・・・・・そう、私はまいごになったのである。



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