第3話 悪ダヌキの変貌

ここで読者の期待を裏切ることになるのだが、残念ながら奇跡的に時間には間に合ってしまう。

ますみちゃんに例の件で黙っておく代わりに、近道を教えてもらったからである。

さてK病院に到着した私は、受付のおねえちゃんに予約の旨を伝え、秘書のおねえちゃんを呼び出してもらった。秘書のおねえちゃんは訪問見学の予約確認の電話の際、今井美樹のような澄んだ美しい声を出していたのでさぞかし奇麗なのであろうという期待をしていたが、大いに裏切られた

登場したのは、のらくろくんであった。

しかし、のらくろは学生の私にも丁寧に応対して、とりあえずは院長室に入室することとなる。

私は病院訪問初体験であったので、前もって(緊張しないように)HPで院長の笑ったお釈迦様のような顔を眺め、いくつかの質問事項も考え、目論見を立てていた。また、前編でも述べていたと思うが、しょせん「見学」であり、ま、「面接」までいけたらラッキーくらいにしか思っていなかった。

トントン。

のらくろがドアを開け、一応緊張したふりをして入室した。どきどきした。

すると、そこにはお釈迦様の姿はなく、時代劇の悪代官、いや悪ダヌキが大きな顔をして椅子に座っていたのである。私は目が点になった。

たぬきだ、、、、

また側近には、この悪ダヌキに騙されて壷を買わされたおにいちゃんと、シロマメを信じて疑わないおっちゃんがいた。

な、なんかちゃうで?これって、、、これって、、俗にいう面接っていうやつちゃうん??!!

私はこの時、初めて自分の境遇を知る。

聞いてねえよ。何も考えてへんやんけ。なんか知らんけどタヌキおるし。もう、ええわ。ひらきなおりじゃ

いちおう、悪ダヌキに自己紹介しようと口を開いた。

わたくし、お、、、、」とまで言うと、タヌキは吐き捨てるように言った。

りれきちょ

私は横柄な態度にむっときたが、しょせんタヌキはタヌキ。そう自分に言い聞かせ、履歴書を見せた。

ん?きみ、(私のこと)精神保健福祉士の資格持ってないじゃないか

ああ、もうー。めんどいのう。

知らんのかいな。1年実務積んでから受験資格をもらって受験してもらうんぢゃ。ばーかばーか。

と言いそうになったが、ここはあだるちいシロマメ。落ち着きを払って、

あの、専門学校で指定科目を3年にわたって修得した後、実務を積んで受験し、合格してはじめて取得できるのです。

とわかりやすく説明した。

すると、タヌキはタヌキ。人間の言葉が通じないようである。ばかすぎる。

壷を買わされたおにいちゃんに一生懸命通訳してもらっていた。

やっと話が通じたタヌキは私に言った。

ちみ、べつにいらないよ。資格もってないじゃーーーん

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はにわ。(ーー)

なにをゆいだすんだ、タヌキタヌキーーーーー!!!!このぽんぽこぽんめ。

だから1年ここで働いて資格取りたいってゆうとんねん。人の話きけーー。

私はもう、どうでもよかった。タヌキ病院はもうええわ。

すると今まで黙秘していたシロマメを信じて疑わないおっちゃんが、私の履歴書を見てこう言った。

ほほう、、君はK戸S蔭の学校に行ってたんだねえ。ほほう、、うっひっひ

えろじじいの降誕である。

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