第21話 不幸その4

青汁おじいちゃんが運んできたのは、小さなケースにはいった「やきそばセット」と「豚玉セット」であった。

「やきそばセット」には、キャベツ、豚肉、麺、ソースが粗雑に入れられていた。

私がきょとんとしていると、青汁おじいちゃんは

御自分で焼いてくださいね、ソースはスプーン2杯がちょうどよいですよ。

と言って去っていった。

ま、ま・ぢ・で???

わらけた。スーツ着て、こんな山奥まで来て自分でやきそばを焼くなんて夢にも思っていなかった。

できるやんで修行しておいてよかったよ。(キムチなくて残念やったけど)

味は、まぁ、そこそこやったけど、おもろかったのでよい。

私は食べおわると再び新聞を読んでいた。

ひらめはどうやら焦げてしまったようで、食べるのに苦労していた。

ひらめとの楽しい?青汁タイムも終了し、とりあえずは病院に到着。

しかし、田んぼと竹薮しかないで。夜、一人で歩いてたら絶対に竹薮に連れ込まれて殺されるとみた。(謎)

面接室に通され、いざ面接開始。事務長さんの他にソーシャルワーカーさんもいてはった。

履歴書を渡し、いろいろ話がすすむにつれ、私は重大なことに気が付いた。

ここは精神病院である。いや、少なくともそう伝え聞いていた。

クライエント(患者さん)の平均年齢は70歳。

内定をもらったと同時にここで勤務(実習ではなく)という形をとっていただく。

夏休みはないと思ってほしい。

ちょお、待ってえや。つまり、ここは痴呆専門っていうこと??しかも夏休みないって?そんなんぎぶ。

うーーん、うーーん。(悩)

*のちのち判明したことだが、痴呆専門ではない(やはり精神病院)が、老人疾患を多く診ているらしい。

でも私がしたいことと少しちゃうなぁ、、、

そう考えていると、事務長さんが質問してきた。

こちらの病院で働くことになったら、どういうことがしたいですか?

ひらめは身を乗り出してべらべら話し始めた。

はい、私は、おとうさんとか、おかあさんとかの年代の人よりも、おじいちゃんとか、おばあちゃんとか子どもとかそういう年代の方がとても好きなんですよう。それで、こちらはおじいちゃんとかおばあちゃんを・・・・・・

え・・・?今、なんてゆうた?おとうさんとかおかあさんとかってゆうた?ゆうた?

ひらめは全く気が付いていなかった。事務長さんは、少し笑いながら聞いていた。ワーカーさんは少しひきつっていたような気がする。

おいおい、ひらめーー。君、ほんまに大丈夫か?

ま、私の死亡理由も相当なもんやけどな。

私は、クライエントの多くが老人対象であると知りながらも、

クライエントを抱える家族の方々は相当な苦労をされていらっしゃると思います。その家族の方々の理解と協力というのは、クライエントの治療にとって大切なことです。家族の方に対する援助を行いながら、クライエントが社会復帰できるように・・・

ふっ。おじいちゃん、おばあちゃんに社会復帰・・・・・・。

ま、知っててゆうたからええねんけどね。だってそれがやりたいことやねんもん。これで落とされるなら本望だ。

ワーカーさんは私の死亡理由を聞いて

まぁ、ここは老人の方が多いからねえ。

と言った。

ふふ、落されたね。

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